ブライダルの文化社会学

ニューヨークにて、トイレットペーパーでできたウエディングドレスで挙式をした夫妻がいた。2007年12月のニュースで取り上げられていた。トイレットペーパーの企業の社内結婚のために、ウエディングドレス、ブーケ、花吹雪、可能なものはすべてトイレットペーパーで。ブライダル業界とトイレットペーパー業界の見事なコラボレーション。すべてが純白なトイレットペーパーカラーで演出されとてもステキなものであった。
実に興味深い、学術の対象である。
「オリジナルウエディング」と呼ばれている現在の日本のブライダル産業に「オリジナル」とは何か、新しい結婚式の在り方を投げかけている。
古代ローマ時代は、頭のてっぺんから足まですべて黄色で統一されていた。
やがて18世紀、イギリスヴィクトリア朝時代、エリザベス女王が白のウエディングドレスを身につけたことから流行は、はじまる。
やがて、1990年代後半までは、キリスト教の厳しい戒律の伝統が受け継がれ、花嫁は、肌の露出あまり好まれなかった。
グローバルなファッション現象は、女性の身体の露出化を促すようになったと同時にウエディングドレスもファッションの一部として、オフ・ショルダーやピスチェ・ホルターネックのように肩・胸・背中を大胆に露出し、女性の魅力を引き立たせるものに移行してきている。
元来、現代のウエディングドレスは、19世紀フランスで流行したクジラの骨や鉄で形づくられたクリノリン・バッスルスタイルであった。腰は、コルセットで締め上げられ、中には、肋骨を左右二本ずつ、手術でとってしまうくらいであった。
現在は、「見えないコルセット」と言われる位、ピューティーサロンでくびれを見事に作り上げる。

ブライダル産業は、様々なパッケージプランを、持ち掛けながら、「一生に一度」という言葉にメッセージを付与し、オリジナルを失っているのが現状だ。

トイレットペーパーで作り上げるウエディングドレスは、極端ではあるもののオンリーワンの挙式である。ブライダル産業とブライダル文化は、ファッションの一部である。
ウエディングドレスのファッションショーと言われるように。
日本女子大学大学院教授、坂井妙子著『ウエディングドレスはなぜ白いか』
『ウエディングドレスの昨今』(ポーラ文化研究所)
文化女子大学大学院教授、古賀令子著『コルセットの文化史』
を推薦図書としてお勧めしたい。
新たなるブライダルシーン、ブライダル文化・産業研究を切り開いて欲しいと願う。
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