『ハンサム★スーツ』紳士服とは

鈴木おさむ原作『ハンサム★スーツ』が、谷原章介ドランクドラゴン塚地、北川景子主演で、洋服の青山(AOYAMA)とコラボレーションで映画化された。
紳士服青木がテレビコマーシャルで上戸彩をヒロイン役として「もてスリム」と言う細めのスーツのキャッチフレーズを強調しているがこれは、紳士服の起源と実に奥深い結び付きをもっている。
深井晃子監修『世界服飾史』のなかで、石上美紀が、『男性の服飾』というテーマでつぎのように指摘している。
「「19世紀前半−ダンディズムの服飾」・・・19世紀初頭にダンディズムの思想が形成され、新しい紳士服の趣向が誕生した。ダンディズムの創始者とされるジョージ・ブランメル(1778−1840)」であると。
石上美紀は、「ダンディの服飾の第一の特徴は「衣服が身体にぴったりとあうこと」」「第二の特徴は「装飾は控えめ色は地味であること」」とも指摘している。200年前、紳士服の定義がこの頃確立されたことがわかる。
また、『19世紀後半−紳士服の定型化とカジュアル化』のなかでは、「世紀末にはズボンに折り目をつけることが一般化し、以来現在にいたるまでの習慣となっている。ズボンの裾の折り返しもこの頃現れた」と。(110−115頁参照。専門用語は、全部取り上げられないので省略。ネクタイの結び方も図版で掲載されている。)
上記をみてみると、最近、テレビや雑誌で見かける有名人が、今年流行の紫色のネクタイやアーガイル模様のベストを紳士服のジャケットのなかに着飾っているのが理解できる。

女性服の変化は、西洋東洋問わずデザインが激的に変わるなか紳士服がなかなか変化しない要因のひとつとしてジョージ・ブランメルのダンディズムがあることを忘れてはならない。

紳士服青木「もてスリム」スーツは、このダンディズムと奥深い関係を持っている。

ちょっとした知識が紳士服のオシャレを際立たせてくれる。

またこのような社会史を知っておくことは、映画を観に行くうえでもより面白みが生まれてくる。

紳士服の基本は、200年を経て、日本でも再認識されているのだ。実に面白いと思う。

北山晴一著『おしゃれの社会史』(朝日選書)にも詳しい。

次回は、映画『幸せになるための27のドレス』とウエディングドレスの起源を紹介出来ればと思う。
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