ワコール定例研究会

2008年1月26日、ワコール人間科学研究所、乳房文化研究会定例研究会「乳房をめぐる犯罪と法律」と言うテーマで京都ワコール本社で開催された。
近くて遠い、遠くて近い、また、軽くて重い、重くて軽い、広くて狭い、狭くて広い、ナンパなようで、実に硬派な課題で、言葉に表現できないような奥深さを持つものである。真摯に考え、ひとつひとつを複雑かつ明確にしていく、「法学」と言う視点からアプローチするものであった。
私自身、「身体と法律と文化」を再三このホームページで定義してきたが、本研究会において確信を持つことができ、間違っていなかったと思えるものであり実りあるものであった。

私自身、「法」に関する部分は、ウィークポイントであり、以下における先生方の膨大な具体的事例、判例の資料、ディスカッションにより、これから明確に提言していかなければならない研究課題がおおいにあり、また、「法」の専門的ナイーブな所を誤解されないよう言説していきたい。
内容を全て取り上げるのは難しいので、レジュメよりお許しをいただき概略を表記したい。
テーマは、上記参照。
問題提起「今なぜ乳房と法律・犯罪か」田代眞一会長(昭和薬科大学教授)
モラビア・フォー事件に見るアメリカの乳房観」実川元子運営委員(フリーランスライター・翻訳家)
「乳癌・豊胸手術等に関する医療裁判」水島幸子先生(水島綜合法律事務所所長)
「セクハラ判例に見る乳房」四宮章夫先生(弁護士法人淀江屋橋・山上合同弁護士 、京都産業大学法科大学院教授)
「乳房をめぐるその他の法律問題」大島俊之先生(弁護士法人淀屋橋・山上合同弁護士、九州国際大学法学部教授)
である。

時代、宗教、社会規範、地域、民族、国によって様々な法律があり、一概に答えはでない。
しかし、田代眞一会長よりの問題提起より、諸先生方が明確な答えを明示してくれた。
これらは、私がここで内容の展開から結論を話す訳にはいかない。
研究会会報誌にて要約されるので差し控えさせていただく。
少し詳細を話てみるならば、雇用ハラスメント、キャンパスハラスメント、医療ハラスメント、医療による犯罪、法律、電車内における痴漢行為、古い判例では昭和35年によるものまで提示された。
同様に、乳癌に関する問題が多く議論され、外科治療、または、それにともなう豊胸美容手術など。
ここで、北山晴一常任運営委員(立教大学大学院教授)よりディスカッションの時に、「乳癌による乳房再建術に関わる医療に関しての美容外科と形成外科の法律的責任問題」についての先生方の質疑応答のひねりある視点に大変興味深いものであった。
これらの解答もここで軽々しく語ることはできない。
心身ともに助ける為のものであり、企業等におけるセクシャルハラスメント委員による上司を落としいれるための道具としてクリーンであるにも関わらず悪用する判例など、3時間以上に渡る学際的、学者先生方による討議であった。

あまりにも幅広い視点からの定義付けで、私自身要約しきれない。

しかし、冒頭で述べた通り、これまでの自分の研究課題において強く主張出来なかった部分が明確にクリアーされ、更なる研究の深化に務めたい。

最後にお聞きしたく、質問用紙に書いて提出してきたのだが、少し論点がずれるが、北京オリンピックの助手をする女性方が、170センチ以上で美顔で豊乳でなければならなく、現在北京オリンピックに向けて訓練をされている。美容や豊乳手術までしてなる人もいることに対して、各国からバッシングのニュースを見たが、国家レベルでのましてやオリンピックでの医療行為や後遺症が残った場合の見解を知りたかった。中国という社会主義、共産圏の問題に対する価値観とは違うと思うが日本の視点の見解を知りたかった。


備考ではあるが、大島俊之先生の裁判用語で、「トップレス」と「トップフリー」の意味において、前者は、悪いイメージ、後者は良いイメージの違いの定義に驚いた。

四宮章夫先生の時代が進めば、へそ出しルックの問題、公然猥褻など様々な見解が聴けてよかった。

ファッション関連でよくおみかけする女子大学生、京都の女子大学院生、女性のかたが多く参加されていたのに驚き意味があることに本研究会の重要性に改めて気付いた。


上記において間違った解釈での場合、先生方に失礼お許しいただきたく思います。